自分の若い頃がそうだったのですが,教師の権威を振りかざして子どもたちにとても厳しい指導ばかりしていました。
大きな声・強い口調での指導や規律重視の管理などなど,今振り返れば恥ずかしくなる内容ばかりです。
できれば今の経験年数が浅い教員の方々には同じことをしてほしくないと思っています。子どもたちのためにも,自分のためにも。
ある程度の規律は必要
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テーマにある「厳しくなりすぎない」とは,規律のないゆるゆるの状態をさしている訳ではありません。
学級・学校にはある程度の規律がないと,全員が気持ちよく,安心して過ごすことができません。なので教師がコントロールする場面は必要だと思っています。もちろん理想は教師ではなく,子どもたちが考えて自治していくことですが…
この規律にはゆとりが必要だと思います。子どもたちにとってゆとりのないガチガチの状態はとてもキツイものです。教師もしんどいです。
この辺りまではOKラインというゆとりある基準をもっておくことが必要だと思います。
なぜ厳しくなりすぎるのか?
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ゆとりが必要だと頭では分かっているけど,ついつい子どもたちに細かなことを厳しく指導してしまう。
なぜなんでしょうか?
私はズバリ
子どもたちが言うことを聞いてくれるから
だと思っています。
言うことを聞く素直な子どもたちは,「〜しましょうね。」に従ってくれます。教師にとっては気持ちの良い,楽な状態です。
でも,少し気になる行動をする子どもが現れると,気持ちの良い,楽な状態に戻そうと指導をします。すると元に戻ります。
この時,楽な状態に落ち着いていたいという心理状態になって,少し規律の基準が高くなります。(=ゆとりがなくなる)
基準が高くなると,ちょっとした子どもたちの動きも気になるようになって,ゆとりのない厳しすぎる指導に陥っていってしまうのだと思います。
もし言うことを聞かなかったら
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言うことを聞いてくれるからどんどん厳しい指導になっていくと考えると,逆に言うことを聞いてくれない場合は,厳しくない指導になっていくことになります。
厳しくない指導とは,手立てを変えるということです。
厳しくしても無理だ,では伝え方を変えたり,子どもたちに良い行動を促すようなしかけを用意したりしてはどうかと,アプローチの仕方が変わると思います。
例えば
騒がしい学級で
「話を聞きなさい!!!!!!」
といくら言っても無理だったら
「ねえねえこれ見て!!!」
と,子どもたちに関心をもたせる方法をとると思います。
ここが重要だと思っています。
厳しくなりすぎないために
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言うことを聞いてくれる子どもたちにはなぜか厳しくなってしまう傾向があるということを認識しておくことが大切だと思います。
もし気になる行動をする子どもが現れた場合は,自分の基準内に落とし込むのではなく,行動を観察し,優しく話しかけ,どのような支援が必要なのかを考えることが好ましいと思います。
さらに良い状態を求めるのではなく,ゆとりある基準をもって「これくらいがちょうどよい」と思える勇気も必要です。
子どもたちは毎日がんばっています。そこを認めていくことが一番です。
一緒にがんばっていきましょう。
nagaken